小嶋 基次先生の「心のおしゃれ学」NO.7 2014/02/01

セ口ハン紙

廊下でふと拾った一枚のセロハン紙が、その後の全国大会の研究発表につながるもとになりました。

ちょうど、通りかかった校舎の廊下の中央で、セロハン紙が風に舞っていました。スポットライトで使用するだいだい色のセロハン紙で、たぶん前に通っ
た演劇部員が落としたものでしょう。

十五センチ四方ぐらいの大きさの紙を、何気なく目に当ててまわりの風景を見た瞬間、その世界は一瞬にして今までの常識を破りました。
単色で平面的なセロハン紙をとおして見た世界は、だいだい色がとても明るくて視野が広く気持ちが素直になりました。

隣を通りかかった女子高生に、「見てごらん」とセロハン紙を手渡したのです。
「景色が明るく広がって気分がいいー」という言葉を期待していたのですが、返ってきた言葉は予想に反して「胸が締めつけられるような景色」と言い表わしたのです。
同じ色の同じ感触の一枚の紙をとおして、このように正反対の感じを持つのはどうしてでしようか。

興味がでてきたので演劇部の部員に返すのも忘れて、そのセロハン紙を手にしたままバレーコートに行きました。

三十三人いたバレーボール部員は、全国大会で入賞した実力のある集団でした。

三十三人が一人ずつセロハン紙を目に当てて風景を見た後、感想を聞くと多種多様の言葉が返ってきました。

表現としては面白いのですが、長文になってしまうので、直感を重視して一行の感想をメモ用紙に記入させました。

感想を記入した三十三人の中で、「空が明るい」「地球が広がった」などの表現をした人が二十七人いました。
そして、逆に「胸が締めつけられる」「呼吸が苦しくなる感じ」などの表現をした生徒が六人でした。


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