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小嶋 基次先生の「おもしろ健康学」NO16 2016/09/01

バランスのとれた身体 No.2

昼に活躍していた交感神経(脳・心臓・筋肉など)に交代して夜の神経と言われ
る副交感神経(生殖・消化器官)の働くときには能率はあがらないものです。

私はバレーボールの練習でも、努めて屋外のコートを使って行いました。
このことで体育館だけの練習に比べてジャンプ力に約五センチの差が
見られましたし、試合中は声が体育館の四方の壁に反響して自分やチームの
意欲を引き立ててくれました。

これなど普段に苦労して訓練したことが試合では良い環境に恵まれて能力を
いっばい発揮できた例でしょう。

次に心の若さを考えてみましょう。心のナイーブさは女性ほどではないと
言われる男性のニ十歳代の興味・関心は、異性に対してで、これは正常な発達です。

三十歳代になると自分の仕事に熱中して家庭のことはあまり顧みる余裕さえ
ないほどで、玄関では靴が乱雑に転がっていますし、働きすぎから過労死と
いう問題にもなってきます。

四十歳代になりますと愛玩動物(ペット)を持つようになります。
ペットの対象となるものはいろいろありますが、概して哨乳類を好むようです。

犬とか熊とか虎とかですが、案外小鳥を飼う人も多いようです。

女性は意外にも肥虫類が好きな人もいるようで、トカゲとか蛇とかイグアナ、
ワ二まで飼う例もあってドラマの材料にもなっています。

ぺットの熊が成長しすぎて撲殺された男性の話や、大きくなった虎に逃げられて、
やむなく射殺せざるをえなかった例とか多くの悲劇があります。
この年齢の男性の住む玄関には犬小屋があったり軒下に鳥龍が下がっていたり
するものです。

さて、男性も五十歳代になりますと植物に興味・関心が移りまして盆栽・菊の花
・植木の世話をやき、秋の菊人形展が趣味となって見物に出かけたりします。

やはり、この年齢の男性の玄関にはよく手入れされた菊やつつじの鉢植えが
並んでいたり、庭が椅麗にまとめてあります。

次は六十歳代になりました。
玄関の靴箱や座敷の床の間には、それは見事に磨きぬかれた石や木の根が置かれて
います。これは石や木の根を磨く人がこの年齢に多いということです。

最近は日本人の平均寿命も非常に伸びましたし、それに伴い興味・関心それに
趣味も多方面にわたります。

年齢と趣味のことは目安にすぎませんが、それにしても男の気持ち、
趣味の移り変わりをよくとらえています。
これは何を意味するのでしょう。

実は、男性の生理からきていることで、脚の衰えとともにこのように心も頭も
変化してきているのです。

脚と深い関わりがあって二十歳代、三十歳代、四十歳代、五十歳代、六十歳代、
七十歳代と年齢を重ねてみますと、女性や仕事で夢中になって飛びまわっていた
人がいつのまにか犬を連れて隣近所を散歩していたり、自宅の庭の樹木に水を
やっていたり、縁側に座って手だけ動かして石や木の根を磨いていたりするのです。

でも腕だけに頼って磨いていることはわびしいものです。
次に来るのは脚も使わない手も使わない寝たきりの姿です。

いつまでも二十歳代、三十歳代の体・心・頭を持ち続けることは素晴らしいことです。
脚の衰えにあいまって行動範囲が狭くなり興味・関心まで変わらないよう脚の鍛練に
努めることでしょう。

女性はこの年齢による興味・関心の移り変わりは顕著ではないようです。
むしろ年齢と趣味の関連はあまりないかもしれません。

ファッション、グルメ、旅行にと大勢の女性が年齢に関係なく興味・関心を持って
話題もそれに集中して賑やかになります。

そのために男性と異なる場合があるのです。脚を使い口を使い頭を使いこれだけ
活動的であれば、心身ともに若く健康で、比較して消極的になる男性に差を
つけるのは当然になります。

女性の積極的な興味・関心・行動に対してどうしても男性は興味が静的で暗く
なりがちです。

男性の中にも活発に動き活動している人もいるのですが、このような人には
周囲に活動的な若者がいるわけです。

このような差が男女の平均寿命の五歳の年齢差になっているのです。
この差は脚の強さにほかならないのですから、男性も戸外に出て脚を使って
動くものにおおいに興味を示して欲しいものです。

また、女性の場合いつまでも若い心身で年齢に関わりなく老若同じ趣味で
いることが意見の衡突につながります。

嫁と姑の争いも案外、お互いの持ち場争いに因を発していることは
心すべきことでしょう。


続く


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