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小嶋 基次先生の「おもしろ健康学」NO18 2016/11/01

5 食事と健康
NO.2


最後は、負けるなのマ、自分で食欲をコントロールできなっては困りますし、
シェイプアップのためにダイエットを試みて、食べたくても食べないということ
なく食事は美味しく喜んで食するということで、今までの言葉のイニシャルを
並べると「オアイニクサマ」となります。

食事に対する作法として心に留めておくと良い言葉です。
一人で食するものは餌と言われるくらいで、食事は他の人と一緒に食するのが
楽しく必要で有益なものです。

そのために楽しく他人と交わる食事作法が必要になってきます。

食事に関わることを人間の心理面でみますと男女に差があることが分かります。

食欲・性欲・睡眠欲のような第一次欲求と言われる本能は、人間同士をより親密に
しますが、所属欲・顕示欲・名誉欲・所持欲のような二次的欲求と言われる
本能は、人間関係を険悪にするものと前に述べましたが、男女で食事をしますと
男性は食後に性欲・睡眠欲と生理的に進む例が多いのです。

しかし、女性はこのとおり進まないで、食欲が満足されると次に母性本能と
いう一風変わった本能が顔を出すのです。男性と一つ夕イミングがずれているのです。

三拍子と四拍子なのですが、そのために救われた女性は数多くあるでしょうし、
いくつかのドラマのストーリーに一役買っているのです。

女性も食欲・性欲・睡眠欲とくるところは人間の生理、本能からして当然ですが、
食欲と性欲の間に母性を意識した女性特有の本能が割り込んできて、
いろいろ防衛することがあるのです。

食べ方にも男性の食べ方、女性の食べ方があり、それに昔の食べ方、
近代の食べ方、現代の食べ方と変遷があります。

食材も変化してきていますしそれにともなって噛む回数も変わってきています。
この噛む回数が体力に強い影響を持っています。

現代の若者の食事の例ですが、コーンスープ・ハンバーグ・スパゲティそれに
ポテトサラダ・プリン・パンと大体620回噛めば終了します。
所要時間は約11分です。
これは非常に少ないことを実証している数字なのです。

比較する例として卑弥呼の時代の食事の数字がありますが、はまぐりの塩汁
・鮎の塩焼き・長芋の煮物・かわはぎの干物・クルミ・栗・玄米のおこわなどで
噛む回数は先ほどの620回に対して、なんと約5倍の3990回で食事の時間も
51分の長さです。

現代は多忙で食生活の貧困さと不健康を表しているのです。

弥生時代の食事を復元しての結果ですが、平安・紫式部の時代、鎌倉・源頼朝の時代、
江戸・徳川家康や徳川秀忠将軍の時代、第二次世界大戦前、大戦中のメニューを
比較してみましても現代が一番短くて先ほどの11分です。

これでは現代人の体力の低下も仕方がないことですし、特に母体となる女性と
生まれてくる赤ちゃんの体カの減少には憂うものがあります。

出生時に手のひらをしっかり握っていない虚弱な赤ちゃんが増えてきたのも、
この食事時間の短縮と噛む回数の減少に大きな関わりがあるものと思われます。

続く

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