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小嶋 基次先生の「おもしろ健康学」NO19 2016/12/01

5 食事と健康
NO.3

よく噛むことによってジアス夕ーゼ(消化液)の分泌も良くなりますし、
食物は噛めば噛むほど糖分が生成され、血液中に入りますと満腹中枢への
刺激によって過食を予防できて太りすぎの防止にもなるのです。

噛む回数が減少することによって胸線の発育にも影響があります。
胸線の発育、発達が阻害されますとあごがとがってくるばかりか、
心臓にも悪影響を及ぼします。

源平合戦で平家は壇の浦で滅亡しましたが、その原因は噛む回数の
差にもあったのです。

源氏方は木曾山中の山武士で栗や木の実を食し噛む回数も自然に多く
なったのに対し、平家方は元々 公家的な生活をして柔らかい食物に
慣れ親しみ、噛む回数は源氏方武士に比して圧倒的に少なかったのです。

この差が脚力の強弱の差になって戦力に大きな差をつけました。
元来、騎馬武者の源氏方に対して水軍的様相の平家方は結果的に
海の藻屑と消え去ったのです。

筋肉は全身連なっていますのであごの力と脚のカは同じものだったのでしょう。
噛む回数の多さは唾液の分泌を促して消化を助けますし、
人間の発育に必要な成長ホルモンの分泌を促します。

幼児から少年期に至る間に噛む回数を増加することですが、前述のように
インス夕ント食品をはじめ柔らかい食物が多い感がします。

固い食材、それに良質のたんばく質の加わったもの、たとえばスルメ、
鰹節、昆布などを何度も何度も噛むことですね。

全身の発育にも関係しますし、脳の発育もその中に含まれていることは
言うまでもありません。旅行をし宿に着くと甘いお菓子が出ます。

たいていその旅館のお菓子で帰りにお土産にどうぞという意味も
あるのですが、昔は甘いお菓子を食べてもらうことで血中糖度をあげ、
満腹感をもたせ米の消費を押さえようという考えだったのです。

現在はそれが習慣として残っていますが、いずれにしても食事の前に
甘いものを食べれば食欲が押さえられますから成長期にあるものは
心すべきことです。

また、昔の旅篭では、“すすぎ”と称して宿泊客の到着時に足を洗っ
たものですが、あれは足を洗いながら旅人の健康状態をチェックして
いたのです。

肝臓障害があるのか腎臓障害があるのか、貧血か心臓疾患か高血圧か
色つやによって全て足で分かりますから危険な客は警戒したり
断ったりしたのです。


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