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小嶋 基次先生の「おもしろ健康学」NO28 2017/09/01


家庭と職場での健康


人のやらないことを努めてやってみる。
逆に考えると人のやったことはやらないということになってこのことが独創的な
アイデアを生むことになるのです。


私は運動チームを指導したときに決して暴力はふるいませんでした。
時はあたかも東京オリンピックの頃で国を挙げてスポーツ熱が高揚していたときでした。


勝たんがための、指導者による暴力事件も取り沙汰されている最中にありました。
がしかし、暴カなくして必ず勝てるとの信念で指導したのです。
その結果暴力が全くなくても勝つことができました。


当時、私のやり方で勝ったことは驚嘆に値しました。
しかし、それは私にとっては簡単なことで、人のやることはやらないでおこうの
信念からきていたのです。
皆が暴力で選手を恐怖に落とし入れてやる気を持たせるのなら、
自分は他の方法で同じやる気を持たせてやれと思ったのです。


それにはまず自分が先頭に立つことと次のことに心がけました。
最初はいつも選手と起居を共にしました。
同じ屋根の下で寝て、同じものを食べ、同じものを見に行き、
共に喜び共に悲しみました。


次は一緒に考えました。決して指導者の側から結論は出さないで最後まで自分達
で考え決めさせました。
私のやったことはそれを全て認めてやったことです。
選手達が自分で考えたことは本人達も守らざるを得なかったのでしょう。


自分達の考えどおり選手達は最大の努力をしてくれました。
それから、体カづくりに励みました。
体力の原点は「食にあり」と栄養について考え、それを実行してみました。


まず清涼飲料水です。炭酸によるゲップが生じて食欲がなくなり体力を
落とすのを警戒して飲ませませんでした。
同時に糖の大量消費は肥満を助長することを挙げ飲ませなかったのです。


代わりに牛乳や牛肉の摂取量を増やして食事をさせました結果、
それまではいろいろ問題となっていた貧血もほとんど無くなってしまうほど
好転しました。


このいつも皆一緒にいる心と自分達に考えさせてやる信頼感、
それに栄養を重視したところの体力の三つがあれば別に暴力によらなくても、
集中力とやる気を持たせることは容易でした。


説得や指導する力を持たない指導者はつい手が出てしまうのです。
チームを信じて、三年経ってから勝つことができました。
こうして勝ったチームは強くて逆転勝ちを演ずるのが得意で、
逃げ切りで勝ったことや逆転負けはありませんでした。
真の強さは暴力否定から生まれました。


続く

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